池内皮膚科クリニック
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特定の果物や野菜の摂食後、口唇、口腔粘膜の腫れ、痒み、咽頭の腫れ、刺激感等を訴える人がいます。ひどい場合はじんましん、腹痛、嘔吐、下痢、アナフィラキシー等の症状を起こすことがあります。
特定の果物や野菜の摂食後、口唇、口腔粘膜の腫れ、痒み、咽頭の腫れ、刺激感等を訴える人がいます。ひどい場合はじんましん、腹痛、嘔吐、下痢、アナフィラキシー等の症状を起こすことがあり、口腔アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome)と呼ばれています。IgEを介したアレルギー反応がその機序であり、原因物質摂食後15〜30分以内に症状が現われます。
口腔アレルギー症候群(以下OASと略)は花粉を抗原とする花粉症を発症している患者に多く見られますが、その理由として
花粉と共通の抗原性を有している果物や野菜の摂食によって発症する
と考えられています。たとえば北海道に多いシラカバ花粉症の2〜3割の患者にOASの合併があるという報告もあります。
花粉症の種類とOASの抗原との関係では、スギ、ヒノキ花粉症とトマト、ブタクサ花粉症とメロン、スイカ、バナナ、キュウリ、シラカバ花粉症とリンゴ、モモ、サクランボ、ナシ、ピーナッツ、アーモンド、ニンジン、セロリ、イネ科花粉症とメロン、オレンジ、ジャガイモなどが有名です。尚、本州ではシラカバは無くとも同じブナ目のブナ、コナラ、クヌギ、ミズナラなどで感作されていれば同じ症状を現します。
花粉症を発症している人で、上記の果物や野菜(頻度として多いのはリンゴ、メロン)を摂食後に上記症状の発症を見た場合は、一度アレルギー検査をすると良いでしょう。リンゴを生で食べると口の中が痒くなっても、ジャムやジュースになると症状は起こりにくくなります。従って治療としては、原因食品の生での摂食の回避もしくは加熱、加工調理ということになります。