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石鹸の及ぼす皮膚への影響について。
 
 
 


本来溶け合わない水と油を溶けるようにする性質を持つ物質を界面活性剤といい、一つの分子の中に油に溶ける部分(親油基)と水に溶ける部分(親水基)を持つ化合物のことで、具体的には親油基が汚れに付き、親水基の作用で汚れを水の中に引き離すことによって汚れを落とします。
界面活性剤はその構造上

1.脂肪酸ナトリウム
2.脂肪酸カリウム

3.アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)
4.ポリオキシエチレンアルキルエーテル(POE)
5.アルキル硫酸エステルナトリウム(AS)
6.アルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)

などがありますが、「石鹸」と呼ばれるのは1と2のみであって、3以下の界面活性剤を使用したものはすべて合成洗剤と呼びます。

石鹸は動植物の油(油脂)を原料とし、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような強アルカリと反応させることによって脂肪酸ナトリウム(固形や粉状の石鹸)、脂肪酸カリウム(液体石鹸)となります。
石鹸の特徴は

1.洗浄力は合成洗剤よりも強い。

2.どんな高濃度でも皮膚から侵入しない。
合成洗剤の場合、歯磨きによって口から、シャンプーやボディーソープによって頭皮や皮膚から、洗顔クリームやシェービングクリームによって顔の皮膚から、台所洗剤によって手指から直接体内に侵入します。もともと手のひらには脂腺がない(毛穴が存在しない)ため、ただでさえ潤いがないところなので、荒れが強く生じます。具体的には強力な脱脂力と強い浸透性によって皮脂膜や角層細胞間脂質を破壊し、防腐剤などの有害物質や細菌等の侵入を容易にし、種々の皮膚炎を惹起します。

3.一日後には水と二酸化炭素に分解される。

合成洗剤の場合はいくらすすいでも残留し、特に素焼き、金属、磁器、ガラスなどには付着率が高いといわれており、再使用で食物とともに体内に摂りこまれます。

4.石鹸カスは微生物のえさになり、環境汚染の心配はない。

なお、石鹸は弱アルカリ性ですが、たとえ口に入っても胃酸で脂肪酸と塩に分解され人体に害はありません。

以上の理由で、皮膚に病気のある方には合成洗剤よりも石鹸の使用をお勧めします。