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体の一部に多量に汗をかく状態を局所性多汗症といい、手のひら、足の裏、腋の下などはその好発部位であり、また精神的緊張によって汗の量の増す、いわゆる精神性発汗の部位です。
 
 
 


体の一部に多量に汗をかく状態を局所性多汗症といい、手のひら、足の裏、腋の下などはその好発部位であり、また精神的緊張によって汗の量の増す、いわゆる精神性発汗の部位です。手に汗握るといいますが、汗の滴り落ちる人も見うけられます。

汗腺には2種類ありますが、手のひら、足の裏はエクリン腺、腋の下はアポクリン腺が多数あります。臭いを決定する因子はアポクリン汗、エクリン汗、皮脂の3つですが、その主体はアポクリン汗で、アポクリン腺より糖蛋白質、皮脂が分泌され、エクリン腺より汗が分泌されます。すなわちエクリン腺より分泌された汗によって湿潤した皮膚には細菌が繁殖し、細菌の作用でアポクリン腺由来の糖蛋白質などが分解されてアンモニアが発生し、これが臭いの元となります。

したがってエクリン発汗を抑えることが治療の第一歩であり、発汗抑制剤の使用、時には局所の悌毛なども必要です。発汗抑制剤は交感神経の働きの休まる時間、就寝前に外用します。逆に朝は交感神経の活動が活発になるために、その効果が落ちます。外用剤のイオンが汗(蛋白質)と凝固物を形成し、汗孔を閉塞し発汗を抑えると考えられています。細菌の繁殖を極力抑えるために局所の清潔に心がけることが大切です。

ボトックス治療といって、神経毒のボツリヌス菌を少量投与する方法(交感神経を遮断する)もありますが、当院では行っておりません。また手のひらの難治性の多汗症に対して胸部交感神経切断術があります。胸腔鏡下交感神経切断術といって胸に小さな穴をあけ、カメラを挿入して手術するもので、特殊な技術を要するために安易に行うことはできません。術後は手のひらの汗は止まりますが、代償性多汗といって胸部や腹部の汗の量が多くなる人も見うけられるため、専門医とよく相談することが大事です。当院では外用療法のみ行っております。

なお近年、原発性腋窩多汗症に対する新規の外用治療薬が承認されました。主成分のソフピロニウム臭化物がエクリン汗腺に発現するムスカリン受容体サブタイプ3に結合し、発汗シグナル伝達を抑制することが主な作用機序です。1日1回夜、就寝前に外用します。

さらに、原発性手掌多汗症に対する外用剤も開発され、主成分のオキシブチニン塩酸塩が上記受容体に対して抗コリン作用を有して発汗を抑制します。